FreeBSD セキュリティ勧告 日本語版 ============================================================================= FreeBSD-SA-01:05 (2001-01-15) * stunnel contains potential remote compromise ============================================================================= このメールは, announce-jp に流れた Subject: ANNOUNCE: FreeBSD Ports Security Advisory: FreeBSD-SA-01:05.stunnel From: FreeBSD Security Advisories Date: Mon, 15 Jan 2001 14:32:09 -0800 (PST) Message-Id: <20010115223209.E668837B698@hub.freebsd.org> X-Sequence: announce-jp 661 を日本語訳したものです. 原文は PGP 署名されていますが, この日本語訳は PGP 署名されていません. 修正パッチ等の内容が改竄されていないことを確認するために PGP 署名の チェックを行なうには, 原文を参照してください. 日本語訳および, ミラーサイト利用の詳細については, 文末の「A. FreeBSD セキュリティ勧告 日本語版について」をご覧ください. [翻訳者: 佐藤 広生 ] --(ここから) ============================================================================= FreeBSD-SA-01:05 Security Advisory FreeBSD, Inc. トピック: stunnel contains potential remote compromise 分類: ports モジュール: stunnel 告知日: 2001-01-15 クレジット: Lez , Brian Hatch 影響範囲: 修正日以前の Ports Collection 修正日: 2000-12-20 ベンダの対応: 修正版が公開済み FreeBSD に固有か: NO I. 背景 - Background stunnel はネットワークサービス用の SSL 暗号化ラッパ(wrapper)です. II. 問題の詳細 - Problem Description stunnel port のバージョン 3.9 より前のものには, リモートから root 権限を奪うことのできる可能性があるセキュリティ上の弱点が存在します. (-d 7 オプションを指定して) デバッグ機能が有効化されている場合, stunnel は接続のリモート側に identd の問い合わせを行ない, リモート側の identd サーバが返すユーザ名をログファイルに記録します. この時に使われる syslog() 関数の処理が適切でないため, identd のユーザ名を操作できる悪意を持ったリモートユーザは, 書式文字列を利用してローカルシステムで任意のコードを実行することが可能です. このコードの実行は stunnel を実行しているユーザ (大抵の場合は root ユーザ) の権限で行なわれます. stunnel の port はデフォルトでインストールされるものではなく, 「FreeBSD システムの一部」を構成するものでもありません. それらは 4500 を越えるサードパーティ製アプリケーションがすぐに インストールできる形で収められている FreeBSD Ports Collection の一部です. リリース後に問題が見つかったため, FreeBSD 3.5.1 および 4.2 とともに 出荷された Ports Collection はこの問題を含んでいます. FreeBSD では, このようなサードパーティ製アプリケーションのセキュリティ 問題に対して, 特に何かを主張することはありません (訳注: Ports Collection に 入っているからといって, FreeBSD の開発者たちがそのアプリケーションが 安全であると評価したわけではありません). ただし, セキュリティ問題に対して 大きな影響を持つような ports に対するセキュリティ監査を提供すべく, 現在努力中です. III. 影響範囲 - Impact 悪意を持ったリモートユーザは, ある特定の条件下で stunnel を利用し, ローカルシステム上の stunnel を実行しているユーザの権限で 任意のコードを実行できる可能性があります. stunnel の port/package をインストールしていなければ システムにこの問題によるセキュリティ上の弱点はありません. IV. 回避方法 - Workaround stunnel の port/package がインストールされている場合は, それをシステムから削除してください. V. 解決策 - Solution 次のいずれかに従ってください. 1) Ports Collection 全体をアップグレードし, stunnel の port を再構築します. 2) 古い (訳注: stunnel の) package をシステムから削除し, 修正日以降に 作成された新しい package を以下の場所から取得してインストールします. ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-3-stable/security/stunnel-3.10.tgz ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-4-stable/security/stunnel-3.10.tgz ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/alpha/packages-4-stable/security/stunnel-3.10.tgz ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-5-current/security/stunnel-3.10.tgz ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/alpha/packages-5-current/security/stunnel-3.10.tgz 3) stunnel の新しい port スケルトンを以下の場所から ダウンロードし, それを使って port を再構築します. http://www.freebsd.org/ports/ 4) 上記 (3) の操作を自動的に行なう portcheckout ユーティリティを使います. portcheckout の port は /usr/ports/devel/portcheckout にあります. また, portcheckout の package が以下の場所から入手可能です. ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-3-stable/devel/portcheckout-2.0.tgz ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-4-stable/devel/portcheckout-2.0.tgz ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/alpha/packages-4-stable/devel/portcheckout-2.0.tgz ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-5-current/devel/portcheckout-2.0.tgz ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/alpha/packages-5-current/devel/portcheckout-2.0.tgz A. FreeBSD セキュリティ勧告 日本語版について 日本語訳は FreeBSD 日本語ドキュメンテーションプロジェクト (doc-jp) が 参考のために提供するものです. 過去の日本語版セキュリティ勧告は http://www.FreeBSD.org/ja/security/ にまとめられています. ただし, 翻訳者および doc-jp は, その内容についていかなる保証も いたしませんのでご注意ください. 日本語訳についてのご意見, ご要望, お問い合わせ等は doc-jp@jp.FreeBSD.org までお願いします. この勧告の中で紹介されている WWW サイト http://www.FreeBSD.org/ および FTP サイト ftp://ftp.FreeBSD.org/ には, 日本のミラーサイトが存在します. ネットワークの混雑を緩和するため, まずはミラーサイトの利用を 考慮するようお願いします. 日本のミラーサイトを利用するには, http://www.FreeBSD.org/ を http://www.jp.FreeBSD.org/www.freebsd.org/ に, ftp://ftp.FreeBSD.org/ を ftp://ftp.jp.FreeBSD.org/ に, それぞれ置き換えてください. 他の地域を含む, ミラーサイトに関する詳細は, http://www.FreeBSD.org/handbook/mirror.html (英文) http://www.FreeBSD.org/ja/handbook/mirror.html (日本語訳) にまとめられています. $hrs: announce-jp/FreeBSD-SA/01:05,v 1.2 2001/01/21 03:58:59 hrs Exp $