LAST MODIFIED: 2008/12/31 17:23:56 UTC
不定期更新の日記です。ディスクスペースの関係上、 あまりに古くなったものは順次消していきます。 この日記の更新は、今野さんの *BSD Diary Links から取得することが可能です。
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もう年末。
7.1-RELEASE はいつ出るのか、という話。 何で止まっているかというと、セキュリティ絡みの話です。 その他の技術的な問題は 11 月中に解決し、 年内にはリリースできる見込みだったのですが、 その問題の解決まで出せないことになりました。
今のところの目標は、1月第2週です。 package の再構築が必要になるような問題ではない (はず) なので、 問題に対処でき次第、なるべく早く対応しましょう、というところ。 中間に 7.1-RC2 を出す予定ですが、7.1-RC1 からはバグ修正以外の変更を入れないので、 形としてはこれがリリースとほぼ同等のものになります。
昔から気になっていた日本語入力の ports に関する修正を入れてみた。
japanese/*-freewnn とかいろいろある、IM ごとに分かれている ports を全部まとめる。具体的には kinput2 と onew。 jvim は削除。
FreeWnn, SJ3, Canna について、INADDR_ANY の listen をなくす。
いろいろ理由があって、 未だに FreeWnn や kinput2 を使っているマシンがあるのだけど、 このあたりのソフトウェアはみんな INADDR_ANY で TCP ソケットを listen する。ローカルでしか使わないのに、外からつつける状態になっているのは、 かなり気持ちが悪いなあ、と。
まず FreeWnn。基本的には UNIX ドメインソケットを使うようにすれば良いのだけど、 クライアントによっては対応していなかったりするので、127.0.0.1 に listen できるようにしてみる。具体的には "-a ADDR" というオプションと、 jserverrc に "listenaddr ADDR" という記述子を追加して、デフォルトを 127.0.0.1 にすることにした。ソースを眺めていたら -f オプションの処理部分にバッファオーバフローしそうなところがあったのでついでに修正。
次に Canna。デーモンとライブラリを分けるために、ports を分割。 クライアントはライブラリのみ依存するように変更。 デフォルトで UNIX ドメインソケットを使うので特に問題はないのだけど、 ソケットファイルがあるディレクトリが何故か 0777 になっているので、 0755 にする。
最後は SJ3。Canna と同じようにデーモンとライブラリを分離。 serverrc に "servername ADDR" という記述子を追加し、 INADDR_ANY で listen しているところを、servername で指定したアドレスで listen するように変更。 serverrc には、ポート番号が指定できる等の記述 (portname や portnumber) があるものの、 コードを見るかぎりは、まったく対応がとれていない。そのへん修正。
全部を動作確認していたところ、kinput2 も TCP で listen しているのを発見。どうも、プロトコル的には kinput2 がサーバになるような使い方ができるらしい。 普通は使わないし、使ったとしても実質的にローカルでしか使えないものなので、 INADDR_ANY ではなく localhost に listen するように変更。 かつ、TCP 対応を OPTIONS にしてデフォルトで off にしておく。
ついでに IPv6 対応も入れたいとこだけど、 修正範囲が大きくなりすぎるので、とりあえずパス。 これで機能を犠牲にしないで、外からつつけない状態をつくれたかと。
と思ったら、Emacs から FreeWnn に UNIX ドメインソケット経由ではアクセスできないことに気づく。 editors/tamago にパッチをあてて、UNIX ドメインソケットに対応させる。 ソケットファイル名を取得する方法がないので、$JSERVER と wnn-judpath を見るようにして、かつデフォルトを /tmp/jd_sockV4 に設定。
しかし、このへんのプログラムには、ちょっと気づくだけでも、 セキュリティホールがたくさんあって嫌な感じ。 今どきは SCIM とか UIM とか IIIMF とか、 別のものしか使われてないのかしらん。
日本語の書籍があんまりないよね、という話ですが、 やっぱり書籍業界全体で販売数が減っているので、 なかなか難しいところのようです。
さしあたり、 Designing BSD Rootkits と Absolute FreeBSD, 2nd Edition の翻訳をやっています。前者はカーネルプログラミングの本、後者はシステム管理の本で、 2004 年に出した「Absolute BSD〜FreeBSDシステム管理とチューニング」の改訂版になります。 売れないとあとが続かないので、出たらぜひご協力のほどを :)
来年 3 月も、もちろんやります。日程は 2009/3/12-15 です。
今回は、話が高度すぎ & 英語だからついていけないよう、 という人でも楽しめる企画を入れることを考えています。
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