4.3. 英和・和英辞書と翻訳ツール

翻訳する際には頻繁に辞書を参照すると思いますが、 Emacs/Mule を利用している場合は、 フリーソフトウェアとして配布されている辞書を利用することができます。 ここでは、佐藤が利用しているものを紹介します。

4.3.1. SDIC + gene95

SDIC とは、英和・和英辞書を引くための Emacs-Lisp プログラムです。一次配布元は http://pine.kuee.kyoto-u.ac.jp/member/tsuchiya/sdic/index.html になっています。

SDIC は、辞書を引くだけのプログラムですので、辞書ファイルが別途必要となります。 SDIC のページに記載されている、ネットワークから入手可能な辞書ファイルは二種類、 edict と gene95 があります。両方試してみて、気に入った方を使うと良いでしょう。 ちなみに、佐藤は gene95 を使っています。

SDIC のインストールには、configure を使います。 INSTALL というファイルに日本語で詳しく書かれていますので、 特に困ることはないと思います。基本的に Emacs-Lisp プログラムなので、 ホームディレクトリに全部入れても不都合なところはあまりありません。

デフォルトでは、 C-c w でカーソル位置の単語の訳(日本語なら英語、 英語なら日本語)が表示されます。 キーバインドを変更するには、次のように .emacs に設定します。

(global-set-key "¥C-cw" 'sdic-describe-word-at-point)


その他、(佐藤は使ったことがありませんが)市販の電子辞書を使うソフトウェアなどもあります。

4.3.2. 翻訳ソフトウェアは使えるか?

最近、各社から安価な翻訳ソフトウェアが発売されるようになりました。 翻訳に利用しようと考えている方や、 すでに利用されている方もいらっしゃるかと思います。 翻訳ソフトウェアが出力する訳文はそこそこ使えるものもありますし、 大量の文書を処理することができるため、道具としてはかなり便利なものです。 しかし、佐藤は「これを使ってできるのは翻訳の効率化だけであって、 英語力の補強にはならない」という点を、 きちんと把握して使っているかということが心配になります。

構造がわかっているけど、訳文をうまく構成できないというならともかく、 自分が読んでみて文構造が理解できないものに対してまで、 こういったソフトウェアを使うのは危険です。 翻訳ソフトウェアは、 あくまで「頭の良い辞書」として位置付けるのが適当だと佐藤は考えます。